ナルシス2世のブログ

エッセイ仕立てに構成。
第一章では高校生時代の入院記を
第二章では高校を卒業してからの職歴と、その中で出会った素晴らしい先輩方とのご縁や学び、エッセイを書く事になった経緯を記録した内容。

痔との出会い(9/29~30)

その日の晩、応援団の一員だった俺は団員同士の打ち上げに参加した。場所は地元の大きな公園。季節は9月末、夜は肌寒かった。

若かった俺達は地べたや、石のベンチに座り宴を始めた。その寒さゆえ体を温めようと自分の酒の飲める限度を知らなかった俺は、調子に乗って飲んでしまった。(未成年者の飲酒は禁止されています)

この冷えた地べたに座りながら多量に酒を飲んだ行為は、後に致命傷となり俺を襲う。酔いながらも異様なお尻の痛みを感じた俺は一足先に帰宅した。布団に入ると体が温まったせいか痛みもおさまり、ぐっすりと眠りにつく事ができた。

朝方になり、お尻からの異様な痛みで目を覚ます。この日は日曜に行われた体育祭の振替休日。学校へは行かなくていいので、ゆっくり夕方まで眠るつもりだった。だが、その痛みは完全に俺の体を起こす。

テレビゲームをしながら痛みを紛らわせていたが、夕方になってもジンジンと痛みは続いた。この痛みの継続に焦った俺は、鏡でお尻の穴を覗き込む。

初めて目にするソレは俺に未知の恐怖を与えた。見えるはずのお尻の穴は、赤黒く艶のある丸いモノで隠れていた。そして奴は堂々と脈をうち、俺に痛みを与え続けていたのだ。

その痛みの根源、奴の名は『イボ痔』

そうとは知らない俺は、博識なバアちゃんに症状を話し、奴の正体と治療法を尋ねた。俺の説明だけでは情報不足だったらしく、とりあえず患部を診てくれると言う。

しかし、いくら血の繋がった家族とはいえ、思春期ピークにして18歳日本男児の俺とって、お尻の穴を人に見られる事は死に匹敵する。

それゆえ有難い診察を断り、肛門科のある病院を探してもらう事にした。