(08年2月・妹の結婚式にて兄よりのスピーチ)
妹は幼稚園の頃に母親を病気で亡くし、高校生の頃には父親が家からいなくなるという不幸に聞こえるような出来事に遭遇しています。
しかし母は亡くなる前に自分の両親に託したのでした。それは実に幸福な道へと導いてくれました。
祖父母にとっては、世代の違う親達の中での二度目の子育て。とても大変だったと思います。祖父母は母となり父となり、【家族の温かさ】【思いやりの心】【感謝の気持ち】を言葉ではなく、育ててくれる中で惜しみなく与え、そして教えてくれました。
授業参観・運動会・進路面談等の学校行事には全て参加してくれました。両親がいない事の寂しさを感じさせないようにしてくれていたのです。
母はそうなる事を確信し、最期に自分の両親へ自分の子供達を安心して託していったのだと思います。
そんな恵まれた環境の中、妹は育ってきました。この場を借り改めてお礼を言わせて頂きます。
『じいちゃん、ばあちゃん、妹をそして僕らを立派に育ててくれてありがとう』
母の導きにより祖父母の愛に包まれ、妹は心の綺麗な素直な女性へと成長しました。だからこそ、こんなにも素晴らしい新郎に出会い、この縁があったと・・・そしてこの出会いは偶然ではなく、必然であったと僕は思っています。
妹はどこぞのお城のお姫様のような所もあり、少し偉そうでキツイ物言いをする事もありますが、後で一人静かに反省しているという可愛らしい一面もあります。
なので、YさんRさん(新郎のご両親)もどうぞ、うちの妹を宜しくお願い致します。
実は今日、余興の為に僕の友人3人にも来てもらっています。彼らは僕の高校時代からの最高の友人達です。
『何で兄貴のお前が友達呼んでんね』
と言われるかもしれませんが、僕にとっては中学生の頃からの妹を知る家族同様の大切な友人達です。
余興の為と口実を作って、僕が強引に誘いました。自分の妹の晴れの舞台を、そんな友人達にも見てもらいたいという勝手な想いでしたが・・・
『お前の妹が呼んでくれたらな!』
『お前の妹の為やったら喜んで!』
と快く出席してくれました。再びこの場を借りてお礼を言います。
『T、M、I(3人の友人)、ホンマにありがとう』
今、幸せいっぱいの妹の顔を見ながら振り返ると、いつの間にか妹はランドセルを背負わなくなり、セーラー服も着なくなり、気が付けば歯科衛生士の資格を取り、歯医者さんで働いていました。
職場の愚痴ばかり言っていると思えば、後輩ができ、後輩の相談相手になり、職場では先生から頼りにされ、辞める事を惜しまれる存在になっていました。
話をしても、しっかりとした仕事に対する考えを持ち、僕とも対等に仕事の話が出来る人間に成長していました。
僕にとって妹は誇りです。そして宝物です。
自分自身は高校を卒業後、家を出て好き勝手に職も済む場所も転々とし、あまり家族と生活をしていませんでした。
妹が中学卒業後、高校入試を含め思春期で色々な悩みを抱えている時、苦しかった時、嬉しかった時、兄として相談にのったりとメンタル面で一番支えになったのは、彼女の兄であり、僕の弟でもあるこの男だと思います。
僕ばかり話していても味気ないので、少し話してもらいます。(以上スピーチ全文)