女神とのコンタクト
11月13日(火)手術後第7日目
この日めでたくAさんが退院していった。入院して来た頃より顔色も良くなり、少しふっくらしてZさんと一緒に病院を去ったのだ。失礼な話ではあるが、正直俺は違う意味でAさんの退院を喜んだ。
そして俺はこの日の夕方から外泊許可を頂き、一時的に自宅へ帰る事になっていた。その準備のため、お昼過ぎから帰宅準備を済ませ、ベッドでいつものように日記を書いていた。そこへ一人の看護婦さんがやってきた。彼女は入院中に少し仲良くなった、スタイル抜群の美人看護婦さんである。大人の女性といったイメージなのだが、透き通るような美しい声を持ち、時おりみせる照れくさそうな笑顔は天使のような可愛らしさを見せる。彼女は俺の中では女神であった。
だから彼女が病室に入ってきた時、俺は一瞬で緊張して固まったのだ。そんな俺に、彼女は声をかけてくれた。
「何を書いてるの?」
俺は緊張を隠しながらも即答。
「暇なんで、日記をつけてるんっす!」
興味を持ってくれたのか、読ませて欲しいと言う。俺は照れくさかったが、会話できた事が嬉しくて何も考えずに日記を渡した。
彼女は少し困った顔で
『あっ、今日の日記が書けなくなっちゃうね』
と気を使ってくれた。
俺は読んで欲しかったので、別のノートに書くと言って預けたのだ。別のノートなんぞ、ありもしないのだが。俺は、半ば強引に日記を預けた。
夕方になり、迎えに来てくれたバアちゃんと帰宅する。病院で午前中に受けた点滴も最後の点滴、日記も女神に渡せた。さらに担当医からは入浴許可も出ている。気分は最高。
久々に帰宅できた俺は風呂も満喫し、気持ちが落ち着いたのか早い時間からグッスリ眠った。
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