ナルシス2世のブログ

エッセイ仕立てに構成。
第一章では高校生時代の入院記を
第二章では高校を卒業してからの職歴と、その中で出会った素晴らしい先輩方とのご縁や学び、エッセイを書く事になった経緯を記録した内容。

薬の副作用?

1112日(月)手術後第6日目

朝からのいつもとは違う強烈な痛みが、安らかな眠りをブチ砕いた。朝の回診まで待てない程、かなりパワーのある熱い痛みで、もがきながらナースコールを押した。そして看護婦さんに我慢できないと悲痛な顔で訴え、痛み止めの注射をしてもらう事に見事に成功。

俺のキズが回復に向かいつつあったのか、薬がかなり強いものだったのかは分からないが、痛みはすぐにおさまっていったのだ。痛みを与えていた赤黒く艶のある丸いモノ、イボ痔も完全に姿を消している。奴を切り取る手術をしたのだから当然であるが、毎日欠かさず鏡で奴がいなくなった肛門付近をチェックし、奴がいなくなった事を噛み締めていた。

だから朝の痛みが何故やってきたのか、すぐには分からなかった。昨夜少し便をだして肛門を刺激した為だとだと思い、理解する事にした。痛みは全くと言っていいほど無かったが、しばらくして気分が悪くなってきた。

この日もバアちゃんはいつもの様に見舞いに来てくれていたので、気分が悪い事を伝えた。バアちゃんは薬の副作用だと、俺を安心させてくれた。俺もそう思ったので気分が悪いのを少し我慢する事にした。しかし、昼食後に胃を激しく揉まれるような感覚になり嘔吐した。副作用だと勝手に納得していたので、不安にはならなかった。バアちゃんは少し気にしていてくれていたが、夕方には回復し、入院してからの日々の中では1番調子が良い日となった。

良い事も、悪い事と一緒で集まりたがる様である。バアちゃんが見舞いに来てくれた時にシャンプーを持って来てくれていたので、昼間は頭を水道で洗ってスッキリできた。バアちゃんが濡らしたタオルで体を拭いてくれ、身体も気持ちもスッキリ爽快になった。

バアちゃんは看病のスペシャリストである。俺が望む物事を俺が何も言わないうちに、俺より先に気付いてやってくれるのだ。バアちゃんは優しさ、思いやりの塊の様な人である。でも、人を疑う事をしないので辛い目に遭っている方が多いと思う。バアちゃんの人生の全てを知っている訳ではないが、俺が物心ついた頃から見てきただけでも幾つか心当たりはある。

そんなバアちゃんを俺は誇りに思い、尊敬している。なかなか口に出しては言えないが、文章にすると感謝の気持ちも素直に書けるものだ。自分の心境や弱さも正直に書く事ができるので、日々の日記をつける事は自信を持ってお薦めできる。本題から反れたので終わる。