ナルシス2世のブログ

エッセイ仕立てに構成。
第一章では高校生時代の入院記を
第二章では高校を卒業してからの職歴と、その中で出会った素晴らしい先輩方とのご縁や学び、エッセイを書く事になった経緯を記録した内容。

第2章 痔歴書

日記は完結しているが、退院後もイボ痔とお付き合いをしていく事となった。その体験を記録したノートを元に物語は続いていく。

 

新たなる悲劇の幕開け

食生活ではバアちゃんの協力を得てお通じにいい物を食し、夜更かしせずに睡眠は充分にとり、必ず1日1回の大便をするようにした。

ところが、根付いた習慣とは実に恐ろしいモノである。俺は元のだらしない生活習慣に戻りつつあった。そして悲劇は新たな形で繰り返される。

夜更かし、食事時間の乱れから、大便をしない日が3日続いた。大便をしていない事による焦りから、トイレへ行っても排便する事ができなくなっていた。便秘期間が長くなってくると、今度は排便時の痛みの恐怖で大便から逃げる。最終的に追込まれ、勇気を振絞って便座へ腰掛ける。大便はゆっくり肛門から顔を出す。その時、刺す様な痛みを感じた。恐怖した俺は、肛門から少し飛び出した便に触れてみた。・・・とても硬い。

3日間蓄積された便は固くなっていたのだ。痛みに耐えられず、ビビって排便を諦めた。しかしイボ痔を復活させたくない、あの屈辱と地獄は二度と味わいたくない。硬くなってしまった便は必ず、軟らかくして出してやると決めた。ヨーグルト、野菜、アイスクリーム、バナナ、牛乳を摂取し、再び便意を感じるのを待った。その無知な行いが、非常に過酷な結果を招いてしまうとは知らずに。

便意が来るごとにトイレへ足を運んだが、痛みから逃げ続けた。痛みを伴う排便は、もはやトラウマ化していたのだ。この硬い便を排出すれば、爽快感は味わう事ができるが、イボ痔の復活を予期させる。結局1週間も溜めてしまう。前回の長期便秘と異なる点は、ヨーグルト、野菜、アイスクリーム、バナナ、牛乳等の便通に良い物を毎日の様に摂取していた事である。下痢になっていてもおかしくない状態だ。実際、下痢状態だった。しかし、最初に生成された大便が硬くなり、栓の役割を果たしていた為に下痢便を漏らす事なく、腹痛が俺を苦しめ始めた。遂には小便さえも出せなくなってしまった。自分ではどうする事もできなくなり、再び病院へと足を運ぶのだった。