痛みを紛らわせる手段
(11月8日(木)手術後第2日目)
この日はルームメイトAさんの世話役としておばちゃん(Zさん)がやって来た。Aさんには身寄りがなかったようで、Zさんが専門機関から派遣されてきたのだ。Zさんは明るい性格で、よく喋る楽しい人であった。バアちゃんとは年齢が近かった事もあり、気が合って見舞いに来た時はよく長話をしていた。
そして俺はというと、お尻の痛みにも多少慣れつつあった。別に痛みが弱くなった訳ではない。どんな動作をすればどれだけの痛みが襲ってくるか、何となく掴めるようになっただけである。
俺は大の耳かきフリークで、最低1日2回は耳をかく。その間は神経が耳に集中するので、お尻の痛みを紛らわすには効果的だった。更にお尻ばかり意識が行かないよう、美人看護婦さんと仲良くなるのを目標として掲げた。この病院には可愛い看護婦さんが数人おり、眺めているだけで癒しになる。
自分ではそれくらいしか思いつかなかったが、実は俺の苦しみを紛らわせてくれた最大の要素はバアちゃんの存在だった。入院中に欠かさず見舞いに来てくれ、愚痴を聞き、退屈しない為のアイテムを持って来てくれた。決して家から病院までは近くない。ましてや車の免許のないバアちゃんにとれる交通手段と言えば、電車か自転車となる。申し訳ない反面、実に有り難かった。俺は一生忘れる事はない。
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